子どもの朝食が大事なのはわかるけど…何を食べさせるのが良いの?
子どもに朝食を食べさせたほうがよいのはわかるけど、朝は忙しいし何を食べさせたらよいのか毎回困ってる、と言う方は多いですよね。
やっぱり、カンタンな朝ごはんの代表格といえば、食パン。
食パンにバターとジャムを塗ったものだけ、というパターンも多いと思いますが、これってダメなんでしょうか?
結論から言うと、
「主食はできればお米で、品目数が多いほうが子どもの脳はよく働く」
ということ。
でも、毎日毎日、家族の夕食だけでもたいへんなのに、凝った朝食を準備するというのはかなりツラいですよね。
ここではできるだけカンタンに、でも子供の成長に良い影響を与えてくれる朝食について考えていきましょう。
●実は、大事なのはおかず
朝食を食べることはもちろん、どんなものを食べるのかが重要であることが分かってきています。
東北大学加齢医学研究所の川島教授によると、朝食の習慣の違いが子供の脳や心の働き、すなわち、認知機能に影響を及ぼすというのです。
これは家庭の経済状況の違いには関係がなく、親の意識の差によるものだそう。
川島教授は、ある製薬会社の研究員が書いた論文のデータを見て目を疑いました。
それによると、おにぎりだけなどの炭水化物だけの朝食より、主食、主菜、副菜がそろっている朝食を食べたほうが、同じ人でも認知機能テストで得点が高かった、というのです。
なぜ、おかずが大事なのか。
まず脳のエネルギー源であるブドウ糖を使うには、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどが必要となってきます。
勉強などして脳を使うと、脳の神経細胞同士がつながっていきます。
こういった脳の伝達路をつくり神経細胞により早く信号が流れるようにするためには、すべての栄養素が必要になるのだそう。
そのため、主食にプラスのおかずが大事となってくるのです。
たしかにおかずをプラスすることで必然的に、体に入る栄養素の数も増えますね。
●パンよりお米?
また、パン派には悲しい話ですが、朝食にはパンよりも米飯のほうが脳の発達によいとのことです。
朝食が米飯派の人たちの知能指数の平均点は104点で、パン派の人たちの平均点100点を上回っていました。
でもこれはなぜなのでしょう?
これは、糖尿病の予防やダイエットなどでも注目されている「GI値」が関係しているのではないか、といわれています。
GI値とは血糖値が上昇する度合いを示す値です。
なぜは米飯のほうが良いかと言うと、精白したパンよりも、米飯のほうがGI値は低いためです。
体が丈夫でたくましく育つにはGI値が低い食べ物のほうがよいとされており、同じことが脳についてもあてはまるのではないかと言われています。
日本では食べやすい白パンが比較的好まれていますが、同じパン食でも、雑穀パン、全粒粉パンなどのほうがGI値が低めです。
そのため、「朝はどうしてもパンがいい!」と言う方には、このようなGI値が低めのパンがおススメです。
●いきなり変えるのは大変
このようにいくらお米のほうが脳によいといわれても、毎朝パン食のご家庭でいきなり明日からお米にする、というのも難しいかもしれません。
朝からご飯を炊いて、味噌汁を作って、それから卵焼きを焼いて……とすべて変えて行こうとするのはツラすぎですね。
まずは週に2度くらいはお米で、など無理のない範囲で始めると良いのではないでしょうか?
また、おかずが多いほうがよいとはいえ朝からたくさんの食器を使うのも、あと片付けのことを考えると面倒です。
そういうときにおススメなのが、リゾットや雑炊、あっさりしたチャーハン、丼ものなど、一皿でいろいろな食材を食べられるメニューにするという手です。
●おススメ朝ごはん「かんたん手抜きリゾット」
たとえば、レトルトの洋風スープにご飯を入れて、溶けるチーズをかけてチン!
これでカンタンリゾットの完成です。
ミックスベジタブルなどの冷凍野菜もちょっと足しても良さそうですね。
●おススメ朝ごはん「かんたんみそ雑炊」
前日に多めに作った味噌汁、またはレトルト味噌汁に、ご飯と、解きほぐした卵を入れてチン!
野菜が足りない場合は、スライスしたネギ、冷凍野菜などを追加しても良さそうです。
これで、かんたんみそ雑炊の完成です。
卵を入れることでボリュームが出るので、食べ応えのある味噌汁、といった感じになります。
●おススメ朝ごはん「かんたんメンチカツ丼」
ご飯の上に、市販の千切りキャベツ、マヨネーズをくるっとひとかけ、冷凍食品のメンチカツを乗っけてチン!
これであっという間にメンチカツ丼の完成!
キャベツを残しがちな子供には、千切りキャベツを軽くみじん切りにして、ご飯に混ぜ込んでしまうという裏ワザ?も使えます。
●まずはできるところから
理想の朝食のハードルを上げ過ぎるのは、考えただけで疲れてしまいますよね。
ですがこういった知識を頭に入れておけば「ちょっとキュウリも足そう」とか、「あのレトルトも使えそう」などとアイデアが生まれるもの。
ぜひ小さなところから朝食を工夫して、脳とカラダに良いものを食べて一日をスタートさせたいですね。